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風速センサとは? ~種類と選び方、最新の動向まで~

毎日の天気予報で、「北の風3メートル」とか「南東の風5メートル」など風の吹いてくる方角と、○○メートルという速さ(強さ)を報じていますね。
この○○メートルは正確に言うと、「○○メートル毎秒【m/s】」であって、一秒間に風が進む距離を表しています。

この風速を測る装置を風速計・風速センサと呼びますが、風=空気の流れは目には見えない為、専用の装置を使って測ります。

風速計・風速センサの種類についてご紹介します。

風速計・風速センサの種類

風速センサにはいくつかの種類があります。測る原理から以下のような種類があります。

  1. ・回転型: 風杯式・風車式
  2. ・風圧型: ピトー管式
  3. ・超音波型: 超音波式
  4. ・熱型: 熱線式

細かくは他にもありますが、代表的な物はこの4種類です。
それでは次に、それぞれどのような特徴があるのかご紹介します。

回転型風速センサ

風杯式風速センサ

風杯式風速センサは食器のお椀のようなもの(風杯と言います)を2つ以上立て、棒状のもので杯を接続し、中心の軸で支えます。
風杯の丸まっている方向に吹く風よりも、口が開いている方向に吹いた風のほうが風杯を押す力が強くなりますので、風杯はくるくると回ります。
この回転数は風速に比例しますので、回転数を読み取れば風速が測ることができるシンプルな風速センサです。
古くから風向計と組み合わせ、気象観測等で用いられているセンサです。

風車式風速センサ

風車式風速センサは飛行機の様なプロペラと、胴体を回転できる軸で支えて構成されています。
風が吹いてくると、胴体への風の抵抗で風が吹いてくる方向にプロペラが向き、風速に比例して回転します。
この回転数を読み取れば、風速を測る事が出来ます。
また、プロペラが向いている方向で風向も測ることができるのが特徴です。
こちらも主に気象観測等で用いられているセンサです。

風圧型風速センサ

ピトー管式風速センサ

ピトー管式風速センサは内側・外側の2重の管で出来ていて、内側の管は風に垂直に当たるように穴が開き、外側の管は風がなぞるように側面に穴が開けられ、それぞれの管に圧力計があります。
この二つの管の根元の圧力差が風速に比例しますので、この圧力を測定することで風速を測ることが出来ます。
低風速だと圧力差が生じにくく、ある程度の風速が必要になるため、高速で飛ぶ飛行機の速度測定などに使われています。

超音波式風速センサ

超音波式風速センサは超音波を発信する送信機と、受ける受信機で構成されています。
超音波の伝搬時間は風速の影響を受けるため伝搬時間をもとに風速を測定します。
複数ある受信機への伝播時間の数値から、風向きを計測することも可能で、可動部や電気的な露出部もないため、耐久性に優れています。
機構が複雑な為、コストがかかりやすい傾向があります。

熱線式風速センサ

熱線式風速センサは白金線やニクロム線、サーミスタなどに電流を印加して発熱させ、吹いてくる風によって熱が冷まされたときの温度を測ることで風速を測定します。
可動部が無いため耐久性に優れており、低風速での範囲での計測に向いています。
工業用の風速センサとしてはコスト面・性能面から多く採用されているセンサです。

上記でご紹介した風速センサの特徴をまとめた表が下記の表になります。

特徴 風杯式 風車式 ピトー管式 超音波式 熱線式
測定原理 風杯の回転数 風車の回転数 圧力差と風速の関係 超音波の伝播速度 熱線の冷却効果
計測範囲 中速 中速 高速 低速〜高速 低速〜中速
風向の計測 × × ×
コスト 低〜中 低〜中 低~中

いかがでしょうか?
それぞれに特徴がありますので、用途に応じて選ぶことをお勧めします。

ここから、SEMITECが開発した「小型風速センサ」を紹介します。

 

SEMITECの「小型風速センサ」

今までご紹介した風速計・風速センサは、主に気象観測に用いられ、室内外に設置されます。
従いまして、機器に組み込めるような小型のものではないことが一般的です。
熱式風速センサに分類されるSEMITECの小型風速センサですが、シリコンマイクロマシニングという微細加工技術を使ってセンサ素子を作りました。
大変小型な為、機器への組み込みが容易なだけでなく、応答性が数十ミリ秒と俊敏に風速に反応する高性能な風速センサです。

さらに、SEMITEC独自の機構で塵や湿気などの厳しい環境に強いセンサに仕上げました。

エアコン・ドライヤーなどの電化機器の風測定や、ドローンに搭載するなどの用途にも適しています。
センサの風の取り込み部分のアタッチメントを用途別に用意することで様々な用途へ使用可能です。

センサ部・増幅回路部 寸法図

センサ・アタッチメント外観

アタッチメントの変更により様々な用途に使用可能です。

例えば、風の流れは不規則なことが多いですが、ある一定方向の風速を正確に測定するときは、指向性のあるアタッチメントが必要になります。
また、人が感じることができないような微風速を測定するためには、微風速計測を強化したアタッチメントが必要になります。

指向性風速センサ

指向性風速センサは中風速域(10m/s以下)の測定用で、小型で高速応答が可能な風速センサです。
指向性を持たせているので、選択的に1方向の風速を測定することができます。

指向性風速センサ

微風速センサ

微風速センサは微風速域(1m/s以下)の検出に特化した風速センサです。
人が感じることが難しいわずかな風速をセンシング可能で、局所排気装置、空冷装置や空調機器などの風速監視に最適です。

微風速センサ

こういった活用ができないか、などのご相談がございましたら是非お問い合わせください。

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