スイッチング電源などの全波整流回路用途にパワーサーミスタを使用する場合の選定方法を紹介します。
以下条件を用いて選定を行います
Ta max :回路の周囲温度の最高値 ℃
IL :回路の負荷電流 A
(パワーサーミスタに流れる電流値)
VAC rms :電源電圧の最大値 V
IP :突入電流の許容値 A
CX :平滑コンデンサ容量 μF
・抵抗値の選出
条件① 25℃に換算したときの抵抗値 RX を求める
VP :VAC rmsのピーク値 = VAC rms × √2 =____V
RTm :Ta maxのときの抵抗値 ____Ω
(※抵抗値は表1の抵抗温度特性表をご参照ください)
br> br>RTmを25℃に換算した抵抗値RXを計算する
RX = 1/RTm × (VP/IP) =____Ω
公称ゼロ負荷抵抗値 R25≧RX となるパワーサーミスタを選出
・形状の選出
条件② 25℃に換算したときの電流値 IX を求める
KI :温度Ta maxでの許容電流軽減係数 ____
(※各温度の許容電流軽減係数はグラフ1をご参照ください)
25℃に換算したときの電流値IXを計算する
IX = IL / KI =____A
最大電流 I≧IX となるパワーサーミスタを選出
条件③ AC100Vに換算したときのコンデンサ容量 CX AC100V を求める
CX AC100V:CXをAC 100Vに換算したコンデンサ容量
CX AC100V = CX × (VAC rms × √2)2 / (100 × √2)2 =____μF
AC100V時の許容コンデンサ容量 C≧CX AC100V となるパワーサーミスタを選出
当社パワーサーミスタカタログの特性定格表より
条件 ①、②、③ を全て満足するパワーサーミスタを選んでください。
本選定方法は、電気的特性の代表的な値を使用して行っております。
実際にパワーサーミスタを使用される場合には、実機にて評価、確認の上ご使用ください。
表1 抵抗温度特性表
温度 Ta max | 抵抗値RTm |
---|---|
(℃) | (Ω) |
25 | 1.0000 |
30 | 0.8471 |
40 | 0.6176 |
50 | 0.4591 |
60 | 0.3475 |
70 | 0.2673 |
80 | 0.2087 |
85 | 0.1853 |
90 | 0.1651 |
100 | 0.1323 |
120 | 0.0879 |
140 | 0.0608 |
160 | 0.0402 |
180 | 0.0320 |
200 | 0.0242 |
グラフ1 許容電流軽減曲線
パワーサーミスタの使用温度範囲により曲線が異なります。
初回選定時は、赤線から許容電流軽減係数を読み取り、選定してください。