JTサーミスタは最大の厚さが500ミクロンを実現した超薄形の温度センサです。
電気絶縁性も優れており、電極に接触し易い場所にも安心してご利用頂けます。
充電池パック、情報機器、携帯機器、LCD、表面温度センサ、高感度気温センサ
形名 | R25※1 | 許容差 | B定数※2 | 熱放散定数 mW/℃ |
熱時定数 s※3 | 定格電力 mW at 25℃ |
使用温度範囲 ℃ |
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103JT | 10.0kΩ | ±1% | 3435K±1% | 約0.7 | 約5 | 3.5 | −50〜+125 |
104JT | 100kΩ | 4390K±1% |
※1:25℃におけるゼロ負荷抵抗値
※2:25℃、85℃におけるゼロ負荷抵抗値より算出
※3:静止空気中にて測定
サーミスタとは、熱に敏感な抵抗体(Thermally Sensitive Resistor – Thermistor)の総称で、温度が変化することで抵抗値が大きく変化する半導体部品です。
温度が上がることで抵抗値が下がる(負の温度係数を有する)NTCサーミスタを一般的にはサーミスタと呼んでいます。
サーミスタは金属酸化物を主原料とし高温にて焼結して得られるセラミック半導体で、その製造方法や構造によって各種の形状・特性があり、温度測定や温度補償等に広く使用されています。
サーミスタを使用する場合の一般的な回路例を図1に示します。
図1 サーミスタの使用回路例
サーミスタで温度を測定する場合の一例として、サーミスタの端子間電圧をADコンバータに入力してデジタル信号に変換、マイコンで温度に換算する方法があります。
サーミスタの温度に対する抵抗値変化は、非線形(非直線性)であるため、図1のようにサーミスタと固定抵抗器を直列で接続した回路にすることで、出力電圧Vthの電圧変化を直線化(リニアライズ)して使用します。
図1のサーミスタ出力電圧Vthは、電源電圧をVcc、サーミスタの抵抗値をRth、直列の固定抵抗器の抵抗値をRとすると、Vth=Vcc×R/(Rth+R)で計算されて、サーミスタが検知した温度を知ることが出来ます。
この時、サーミスタと直列に接続する抵抗値Rは、実際に測定を行う温度範囲から、以下のような計算式で選定することが出来ます。
RL :温度範囲 最低温度でのサーミスタ抵抗値
RM :温度範囲 中間温度でのサーミスタ抵抗値
RH :温度範囲 最高温度でのサーミスタ抵抗値
例として、ATサーミスタ(103AT-2)を使用して、温度範囲0℃~60℃で温度検知を行う場合、以下計算式からサーミスタと直列に接続する固定抵抗器の抵抗値は6.4kΩと計算されます。
RL 0℃:27.28kΩ
RM 30℃:8.313kΩ
RH 60℃:3.020kΩ
グラフ1より、サーミスタと固定抵抗器(6.4kΩ)を組み合わせて使用すると、温度範囲(0℃~60℃)で温度変化に対し出力電圧Vthが直線化されていることが分かり、温度検知の精度を高めることが出来ます。
グラフ1 温度変化に対する出力電圧Vthの直線化